家から1時間。
ようやく松山組に着いた。
「んじゃまず組長に挨拶ねー。テキトーでいーからー」
いや、翔さん。
組長にそんなテキトーで良いなんて言えるの貴方くらいですから。
翔さんに着いて行く中、大勢の組員にジロジロ見られる。
コンコン
「組長俺俺ー」
一番デカイ部屋が組長室らしい。
翔さんは返事を待たずに部屋に入って行った。
「し、失礼します!」
俺も入ると、組長が待っていた。
「やぁ海月君。まぁ座ってくれ。」
「失礼します」
隣を見ると、翔さんは胡座をかいてケータイを弄っていた。
「本当に、ヤクザになる覚悟はあるかね」
「あります」
夢にも、翔さんにも聞かれたこの言葉。
それ程、ヤクザになるには覚悟がいるのだ。
そんな覚悟、とっくに出来てる。


