幸いにも、海月君とはクラスが一緒だ。
入学式が終わって、急いで海月君の所に行く。
朝日達も私と同じ事を思ったのか、クラスを抜け出して海月君の所に来ていた。
「海月君!」
「……あぁ花鈴達か」
明らかに様子が可笑しい海月君。
「海月、もしかしてアイツが……」
海月君が、前に言っていた。
幼い頃突然消えた双子の兄が居ると。
彼が、松山夢月がそうなのかもしれない。
私たちはそう思った。
「夢月、だった……あいつ…なんで……」
どうやらビンゴらしい。
泣きそうに顔を歪める海月君。
どういった感情なのか、私たちには分からない。


