オレとアイツ


倉庫に戻ってすぐに夢が来た。


「やっほー。お久ー」


相変わらずゆるい喋り。


女物の…恐らくクソ女の香水をつけて来た夢。


「まぁとりま座れって」


「なんかあったの?」


「夢月、お前3日前どこに居た?」


「3日前は確かー……家で仕事してたよ」


「本当か?」


「やだなー。嘘吐いてもメリットないってー」


「だよな……」


そこで会話が途切れ、なんとなく気まづい空気が流れる。


「落ち着いて聞いてくれ夢月。」


「んー」


「花鈴が3日前、橋本組に拉致られた。」


「は?」

夢は低い、低い威圧感のある声を出した。


微量の殺気が部屋に流れる。


夢の声にビクッとなる俺と一成。


「それで?」


「花鈴が突然、帰って来たんだ倉庫に。もちろん倉庫まで連れて来たのは橋本組だ。
それから花鈴は……人形みたいに空っぽになっちまったっ……!なにがあったか、喋ってくれねぇんだ。聞くと様子が可笑しくなる。寝言で魘されながら、お前の名前を呼ぶんだ。」


「……………へぇ」


瞳が全く笑っていない、だけどヘラリと笑う夢。


無表情よりも怖い。