「誰が花鈴に何を……」
それを知っているのは花鈴だけで。
花鈴があんな調子じゃ、聞くに聞けない。
花鈴が次に起きたのは、あれから2日後だった。
取り敢えず人形のように感情を出さなくなった空っぽな花鈴を、かかりつけの医者んとこに連れて行った。
「よぉクソガキ共。なんの用だ?あぁん?」
「コイツ…花鈴を見てくれ。頼む。」
朝日が花鈴を姫抱きしながら頭を下げる。
「この嬢ちゃんか。こりゃまた……あぁいいだろ。ちっと貸せ。」
花鈴を朝日から貰った…いや、奪い取った奴の名前は細田。
性格はあれだけど、腕は確かだ。
俺たちは診察室の前で待つ。
その間、誰一人として喋らない。
1時間して、細田が出てきた。
「どうだった!?」
なんだかんだ言って、花鈴を一番心配しているのは幼馴染の朝日だ。
そこに恋愛感情はないらしいが。
「あの嬢ちゃん、精神的に相当やられてるな。何があったか聞いても口を割ろうとしねぇ。ただ一つ。あの嬢ちゃん、"夢月君"、それだけ呟きやがる。取り敢えず暫くの間入院させた方がいい。あぁ、ちなみに外傷は手首に縛られた跡があったくらいでそれ以外は綺麗だ。」
「そうか…ありがとう。」
「あの嬢ちゃんは4階の精神科に移動させとくからな。部屋は看護師にでも聞け。んじゃ俺は仕事あっからなー」
ヒラヒラと歩きながら手を振って去ってく細田に、俺たちは頭を下げたままだ。


