俺たちは昨日花鈴が寝ているから倉庫に全員泊まった。
昼過ぎ、花鈴の様子を見に朝日が総長室に行くとすぐに戻ってきた。
「花鈴の目が覚めた!」
「本当か!?」
「でもよ、様子が可笑しいんだ」
「取り敢えず行こう」
俺たちは花鈴の居る総長室に入る。
「か、りん……?」
ベッドに身体を起こして座って居る花鈴は、俺たちの方を見るわけでもなく、その瞳には何も映していない。
感情が、読み取れない。
ユラユラと目の前をずっと見ている花鈴。
『あっ、みんな!』
いつもの、花鈴の笑顔が何処にもない。
「くそっ!」
一成が怒りに任せて壁を殴る。
「花鈴、俺たちが分かるか?」
「………(コクリ)」
朝日がベッドに座り、花鈴に優しく丁寧に質問していく。
「花鈴、何があったか説明出来るか?」
その質問をした途端
「ゃ…ぁ、ゃ…ゃだ…ぃゃっ…ぁぁっ…やだやだやだやだやだやだやだやだやだ」
花鈴の様子がおかしくなった。
「花鈴れ?しっかりしろ!大丈夫。大丈夫だから。頼むから落ち着いて。…そう。息をゆっくり吸って、吐いて。そう。落ち着いた?」
軽い過呼吸を起こした花鈴。
こわなに目の前の花鈴は苦しんでいるのに。
俺たちは見ている事しか出来なくて。
なんて無力なんだと実感させられた。
落ち着いた花鈴はまた、コトンと寝てしまった。


