オレとアイツ


「……まじかよ」


「全然気づかなかった」


「くそっ!」


ガチャ


花鈴が総長部屋から出て来た。


いつも総長部屋に帰るまで篭ったままなのに珍しい。


「花鈴、水飲もうな」


「う、ん」


朝日が水を花鈴に渡してソファに座らせる。


「私ね、よく思い出してみたんだ」


「何をだ?」


「夢月君、松山組に行った時に言ってた。」


俺たちは花鈴のペースで話せるように黙って聞く。


「解決しなくちゃいけない問題があるんだ。
それで私たちにすごい迷惑をかける事になる。
だからごめん。夢月君、そう言ってた。」


「解決しなくちゃいけない問題…」


「きっと、橋本花鈴さんの事だと思うんだ」


「きっと、そうだな」


「俺…夢月に酷いこと言っちまった…」


「一成は明日謝らねぇとな」