オレとアイツ


俺がクソ女の胸ぐら掴もうとしたら、先に一成がクソ女の胸ぐらを掴んだ。


朝日も爽も動きはしないもののキレている。


「てっめぇ!花鈴をバカにするんじゃねぇ!」


「む、夢月ぃ怖いよぉこの人」


シクシクと泣きだすクソ女に何事かと野次馬が群がる。


「一成、その手離してくれるー?」


「夢月も夢月だ!てめぇ花鈴の気持ち知っててやってるのか!?あ"ぁ?花鈴がどんな思いを毎日してるか分かってるのか!?てめぇそれでも男か!?」


「……………」


一成は、いつもバカだけど仲間を誰よりも大切に想っている。


花鈴を裏切る行為をしている夢にキレているんだろう。


夢は、クソ女の胸ぐらを掴んでる一成の手をやんわりと解こうとしながら、困ったように笑っていた。


そんな夢の態度に、一成は驚いたのかクソ女から手を離した。


「夢、月?」


「花鈴、もうここには来ちゃダメだよ?俺が毎日迎えに行ってあげるから。分かった?」


「ヒック…ヒック…わ、かった」


「じゃあ俺たち帰るから。またねみんな」


クソ女の手を引きながら、夢は帰った。