しんみりしながら倉庫に行くと
「夢月さん、なんであんな女を…」
「夢月さんには花鈴さんがお似合いなのに」
「花鈴さん泣かせるなんて夢月さん許せん!」
「婚約者なんだろ?あの女」
「気持ち悪ぃ」
「夢月さんにベタベタ触りやがって」
「毎日ラブホに入ってくらしいぜ」
学校でも倉庫でも、話題は夢とあの女だ。
「毎日…ラブホ……」
情緒不安定な花鈴はまた泣き出した。
「あ、いや、花鈴さん泣かないでぇぇ!」
「嘘っす!嘘だから!」
「信じちゃダメっす!」
「いや、お前見たんだろラブホ行く夢月さん」
「そ、そうだけど今それ言っちゃ…」
「ラブホ…夢月君…ラブホ……」
「ほらバカ!花鈴さん泣くだろ!」
「すいません花鈴さん!」
「はいはい花鈴落ち着こうねー」
よしよしと頭を撫でてる朝日。
この光景ももう何度見たか。
「……寝てくる」
寝てくる=泣いてくる
寝てくると言って総長部屋に篭ってる花鈴。
その扉からは泣き声が毎日聞こえてくる。
夢、お前…好きな女なに泣かしてるんだよ。


