オレとアイツ


「夢月」


「ん?」


「早くデート行こぉ?」


「そうだねー。行こうか」


夢をその汚い欲の塗れた目で見るな。


明らかに俺たちより年上な筈なこの女は、泣いている花鈴を殺気の篭った目で睨む。


だから俺たちはそれを見逃さず、4人が4人して橋本花鈴とか言う女を睨む。


「夢月ぃ。私この人達睨むから怖ぁい」


「朝日達、ごめん。じゃあ花鈴、行こー」


「うん!」


ごめん

そう言って夢は女を連れて学校を出た。


それは何に対する謝罪なのかは分からない。


でも、明らかに夢はなにか事情があるはず。


俺たちは誰もがそう思った。