海月side
俺たちの目の前に居る俺たちの花鈴と同じ名前の橋本花鈴とか言う女。
最初は夢もなに満更でもなさ気なんだよってイライラした。
俺たち居るのにイチャつきやがるし。
でも、そうじゃなかった。
いつものように夢は笑っている。
でも、そんなの外見だけで、目は全然笑っていない。
むしろそこに感情はなく無に等しい。
そしてこの橋本花鈴とか言う女。
甘い声で夢月に擦り寄り、その瞳は欲に塗れている。
俺たちが嫌う典型的な女だ。
俺たちの花鈴は泣いている。
夢の婚約者と名乗る女。
夢も否定しないから多分本当なんだろう。
夢、お前花鈴の事好きなんじゃねぇの?
松山に行った日、花鈴を借りたのは告ったからじゃねぇの?
晴れて両思いで付き合ったんじゃなかったの?
でも、夢が大好きな花鈴なら付き合ったなら俺たちに報告する筈だから付き合ってないのか?
でもなんで想いは通じ合ってるのに付き合ってないんだ?
夢……やっぱお前の考えてる事分からねぇや。
お前はいつだって一人でなんでも解決しようとする。
母さん達からの虐待だって、俺の目に入らないようにして
俺を守る為に強くなって
俺を守る為に若頭なんて座に就いて
少しくらい、俺たちを頼れよ夢…


