オレとアイツ


「海さ、ヤクザみたいな奴に話しかけられた事ない?」


「…………確かある。」


「そん時なんて言われた?」


「"お前、松山夢月の弟か?"って言われて、答えたら確か…"拉致るか?"みたいな事仲間と話してて、俺よく分かんないけど逃げようとしたら"いや、でもアイツとは絶縁だったじゃねぇか"みたいな事話してて、何もされず立ち去られる事がよくあった」



「うん。そういう事だよ。」


「どういうこと?」


よくわかんないよ夢月君


「だからね?俺と海は血は繋がってはいても戸籍上赤の他人。つまり言ってしまえば俺とは全く関係がないわけだ。俺が松山に来てから会ってるわけじゃないし。完全に疎遠だったから。」



「だけど、ここは全国一のヤクザだからね。俺が若頭になってから、他の組は俺の弱点を見つけようとするわけだ。その弱点が、海の存在だった。」


あっ、夢月君が言いたい事分かった……


「つまり……?」


頭の弱い一成君はわからないらしい。


それ以外は分かってるっぽいけど。


「俺はね?海。お前が狙われない為にわざと冷たくしてたんだよ。分かったか?」


海月君を守る為に若頭になって強くなった夢月君。


本当はたくさん話したい筈なのに、海月君を守る為にわざと冷たく接してた夢月君。


なんてこの人は不器用なんだろう……