宴会が始まってからもう結構な時間が経った。
部屋の中はすごい酒臭くて酔いそうだ。
「夢月くん」
「んー?どしたのりんりん」
「少し外の空気吸いに行ってもいいかな?」
「いーよー。一人じゃ危ないから朝日達と庭出てていいよ。俺はもう少しこっちにいなきゃだからごめんね?」
「わかった!ありがとう夢月くん」
「いえいえー。気をつけてねー」
夢月くんの許可も出たので、さっそく朝日達を誘ってお庭に出ることにした。
「朝日ー、お庭行こー」
「おぉいーぞー」
ちょっと失礼しますと組員さんに断りを入れて私達は部屋を出た。
「あっ、花鈴ちゃーん!」
部屋を出るとちょうど麗さんが居た。
「あっ、麗さん」
「気分転換ー?」
「あ、はい」
「じゃーねー、良いこと教えてあげるね!」
「いいこと…?」
「そーそ。ここの廊下を真っ直ぐ突き当たりまで行って、右に曲がった一番奥にある部屋に行って見て!きっと面白いものがあるから!」
「え…でも勝手に入っちゃマズイんじゃ」
「いーのいーの!私が許可したから大丈夫!」
「じゃあ行って見ますね」
「いってらっしゃーい! むーちゃんに怒られるかもなぁ私」
最後になにかボソッと言った麗さん。
何を言ったかは聞こえなかった。
こうして、私達の松山組プチ探検が始まった。


