「なぁ、海月が刺された時、麗ちゃんがお前たちの両親に契約がどーのこーの言ってなかったか?」
「あぁ、そのこと?」
「おい夢、契約ってなんだよ」
「お前は黙ってて。聞かなくていいから」
「俺にも聞く権利あるだろ!家族だぞ俺たち!」
「はぁ…うるさいな。今は家族じゃない」
「夢!」
「契約?だっけ。あれはね、「無視すん…」俺が若頭になった時に一回あいつらに会いに行ったの。そん時に俺と二度と関わら「おい!」ない。二度と俺を傷つけない。そう約束させただけの話。」
見事に海月君の声を遮って話を続ける夢月君。
なんかコント見てるみたい。
きっと昔もこんな風に戯れたりしてたんだろうなぁ。
夢月君の小さい頃の写真、見てみたい。
「じゃあこないだそれ破ってるじゃん…」
「あぁ、今頃必死で突然無くなった財産でも探してるんじゃない?ちょーウケる」
「無くなった財産…?」
「あの時麗がすごい怒ってさ、俺は気にしてないのに父さん達に告げ口するもんだから父さん達まで怒ってさ。ちょーっと裏ルートであいつらの銀行口座を弄って金全部ふんだくったらしい」
今あいつら一文無しだよ
そう夢月君は続けた。
え、じゃあ海月君の学費とかはどうするんだろ…
「あぁ安心して?お前の学費だけは俺たちが全部払っておいたから。」
「そうじゃなくて!母さんがまた夢に手を上げたのか!?」
「あぁ、そうだけど別に気にしなくていいから」
「やっぱ許せねぇ……夢!俺もここに住むから!決定な!」
「だから無理だから。ふざけんなマジで」
「じゃあ組長に言ってくる!」
「マジやめろって」


