オレとアイツ


なんて思った俺は性格が歪んでるのかもしれない。


そして松山に来て1年が過ぎたある冬の日。


「夢月ー。俺と勝負しねぇー?」


「なんで?」


「ちっと確認のためー。」


「いいよ、別に。」


あの日、俺に負けた神田と樋口は俺に謝ってきた。


今はすっかり和解している。


そういう事なので翔と道場に向かう。


「じーさん。俺と夢月今から勝負するから審判やってー」


「いいじゃよ」


「よし。夢月。」


「なに?」


「お前が勝ったら、俺はお前に若頭の座を譲る。」


「は?なに言ってんの翔」


「だーかーらー若頭の座を譲るって」


いきなり何を言い出すんだこの男は。


まぁ今に始まった事じゃないけど。


「翔が勝ったら?」


「んーそうだなぁ…夢月が1日俺の言うことを聞くってのでどうだ?」


「別にいいよ」


「よし決まったな。じゃあじーさん頼むわ」


「ほいよ。では…はじめ!」