次の日から俺は生まれ変わった。
「おはよー翔」
「……は?夢月…?俺夢見てるの?え?え?」
「なに驚いてるんだよバーカ」
「あ、夢月だ。お前どうして……」
「俺先食堂行ってるなー」
この緩い喋り方は、翔を真似してみた。
あからさまに変わりすぎた俺。
驚きを隠せない組員達。
「麗はよー」
「むーちゃんおはよ!今日は機嫌いいね!」
「だろー」
機嫌良いわけじゃないんだけどね。
これから毎日俺はこうなるから。
生まれ変わってから1週間。
組員達も俺にだんだん慣れてきたらしい。
「夢月、本当にどうしたんだよ……」
俺は満足してたけど、父さんと母さん、翔に麗が心配してた事を俺は知らない。
こうして今の俺が出来上がったわけだ。
「あ、神田!樋口!」
「おぉどうした夢月」
「よぉ夢月」
たまたま稽古に行く途中、俺の事をバカにしてる神田と樋口を見つけた。
だから俺は笑顔で2人に駆け寄り
「ねぇ。これで満足?」
一瞬にして無表情になって殺気を出した。
「「っ!?」」
「俺の事気に入らないんでしょ?いいよ別に。その変わり明日、決闘を申し込む。それで俺が勝ったら認めてね。じゃ」
一方的に決闘を申し込んで俺は道場に向かった。
神田と樋口は、組員の中で1、2を争う強者。
その2人を倒したら他に俺の事を良く思ってない奴も認めてくれる。
そう思った。
そして次の日
「はじめ!」
俺は神田と樋口、二人一片に相手した。
そして勝ったのは
「やめ!勝者夢月」
俺だ。
神田と樋口は、自分たちが一番強いと思って最近稽古を怠っていたのを知っている。
そんな事してっかれ俺に負けんだよ。
どうだ。嫌いなガキに負けた今の気持ちは。


