「じゃあ申請書用意するから少し待っててな。」
「………父さん」
「なんだ?」
「なんでこんな汚い俺をみんな受け入れてくれるの?」
「何言ってんだ。夢月は綺麗だ。それに、この世界で生きてる人間はみんな何かしらの問題を抱えている。誰もそんな事気にしちゃいねぇさ。」
「………そっか」
ポンポン、と頭を撫でられる。
誰かに頭を撫でられたのなんて何年ぶりだろう。
「あともう一つ。俺たちの世界には危険が付き物だ。夢月にも自分の身を護れるように護身術と喧嘩を教える。いいな?」
「ん。」
「あ、そうだ。夢月の部屋作ったから組員に案内してもらってくれ。」
話が終わって、俺は部屋の外に控えていた組員に部屋を案内してもらう。
部屋は、翔の右隣だった。
ちょうど空いていたらしい。
ちなみに麗の部屋は俺の左隣。
つまり俺は二人に挟まれている。
部屋は割と綺麗だった。
ソファに座ってボケっとしていると、
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。
「……誰」
「私!麗です!」
扉を開けると、俺より数センチ小さい麗が立っていた。
「なに」
「入ってい?」
「どうぞ」
自分の家なんだからもっと堂々としてればいいのに。
なんでいちいち聞くんだろ。
不思議な奴


