それから翔が湯船にジャンプして入ってきたから湯が半分に減った。
「………バカ」
「うぉ!やっと喋ったと思ったら第一声がバカかよ!夢月は毒舌だなー」
「…………」
もうこいつに何言っても無駄だと思った俺はスタスタと風呂を出た。
「夢月置いてくなよー。俺が拭いてやる!」
俺を洗うだけではなく拭いてくれるらしい。
よく分かんない奴だ。
風呂を出るとさっきの父さんが居る和室に連れてかれた。
「組長夢月と風呂出ました」
「入れ」
和室に入ると、さっきまで居なかった女が父さんの隣に居た。
「あらこの子が夢月君?綺麗な顔してるわねぇ」
「お母さん!カッコ良いね!あの子」
父さんの隣に大人の女が一人。
父さんの膝の上に小さい子供の女が一人。
多分奥さんとその子供だろう。
翔がさっき妹が一人居るって言ってたし。
「母さん、麗。こいつが夢月。俺が拾ってきた奴。家族になっていいだろ?」
「あらもちろんよ」
「やったぁ!よろしくね夢月君!」
「…………」
なんだこの家族。
優しすぎるだろ。
少しは抵抗しろよ


