「………は?」
「ありがとうございます」
いや、組長さん。
もう少し渋るとかしようよ。
まさかの即答に俺は驚きを隠せない。
翔もなに当たり前の顔してるわけ?
え、俺の反応がおかしいの?違うよね?
なんでこんな見ず知らずのガキを受け入れるわけ?
「夢月、と言ったか」
「…………はい」
混乱してると組長さんに話し掛けられた。
「俺は松山組組長松山凪だ。お前を俺の息子に歓迎する。パパでも父さんでもなんでも呼んでくれ」
無表情でそんな事言われると、本気か冗談か分からない。
「…………………………………父さん」
一応呼んでみると、キラキラと目を輝かせる父さん。
「おい翔!夢月が父さんって呼んでくれたぞ!」
「おい夢月!なんで俺はお兄ちゃんって呼んでくれねぇんだよ!」
ギャーギャーなんか言ってる二人。
「………翔バカっぽいから」
「バカってなんだよ夢月!」
「ガハハハ。翔言われてやんの」
見ず知らずの俺を受け入れてくれる優しい二人。
ここはあたたかい所だと思った。
前田組とは全然違う。


