廊下を歩けばそこら中に倒れている男。男。男。
どれも血を流して、中には死んでいたりする人もいる。
初めて見る人の死体。
でも不思議と怖くなかった。
むしろ興味があったりした。
そんな俺はもうオカシイのだろう。
「若!地下にガキがいやした!」
若、と呼ばれた男は前田組の組長…つまり俺を買った人を殴っていた。
「あ?ガキ?随分綺麗な顔してんじゃねぇか。」
"俺が買ってやる"
次に言われる言葉はそうだと思っていた。
店で女相手してる時もよく言われたし。
でも……
「よし。気に入った。俺の家族にする。おいガキ。名前は?」
違った。
さっきまで野獣みたいな眼をしていた若と呼ばれる男は、俺を優しく見て、家族にしたいと言ってきた。
「こ、こいつは俺たちの道具だ!誰がお前らなんか…ひっ!」
「あ"ぁん?黙れクズ。こいつはもう俺のもんだ。ガキを風俗に売るような奴に預けられっか」
俺を買った人を殴りつける若って呼ばれる男。
そっか。俺、道具か。
まぁ別にいいんだけどね。
感覚が麻痺しているのか、俺は自分が生きていければもうなんでも良かった。


