オレとアイツ


「ーーーーーー!」

「ぁーーー?」



なんか声が近づいてきた。


思わず身構える。


バンッ!


ついに開けられた俺の部屋。


「おぃ!こんな所にガキいんぞ!」

「あぁ?なんだこのガキ」

「取り敢えず若に報告だ」

「おいガキ。こっちに来い」


「……知、らない人に着いていかない」


「この組はもう終わりなんだよ!さっさと来い!」



不思議と、目の前の男達から嫌な気はしなかった。


前田組の組員みたいに、欲望に塗れてなくて。


その瞳は優しかった。


だからかな、俺の足は自然と動いた。


片手で抱き上げられて連れてかれたのは地上。


「ちょっとうるせぇけど我慢してくれな」


「ん」


銃声と罵声が交互に聞こえる地上の部屋。


何気に来るのは初めてだったりする。


いつも地下と店の行き来だったから。