だけど、その海から俺を引き裂くんだからそれだけは許せない。
ボケっとしていると、いつの間にか母さん達は消えていた。
目の前には偉そうなおっさん。
周りには厳ついおっさん。
むさ苦しいったらありゃしない。
「ガキ、名前は?」
「………夢月」
「そうか。もう一人のガキの名前は?」
「………海月」
「そいつも売られたくなけりゃ大人しく俺に従っとけ。いいな」
「…………」
別に海をダシに脅さなくても俺は鼻からおっさんに逆らうつもりはない。
するだけ無駄っぽいから。
「お前には今から女の身体について教える。しっかり覚えて稼げよ」
そう言われ、俺は組員らしき男に地下の部屋を案内された。
その部屋には、ベッドが一つ真ん中にあるだけだった。
ベッドの上には裸の女。
さっきの偉いおっさんがその女の上に跨った。


