最近、母さんと父さんが夜な夜な喧嘩をするようになった。
海と俺はそれが怖くて、手を繋いで布団を顔まで被って寝ている。
「母さんと父さん、また喧嘩してる……」
「海は、気にしなくていいよ」
海を不安にさせたくない。
俺は海が安心出来る言葉を言ったり、本を読んで気を紛らわしたりした。
そして俺の人生が変わった10歳の10月
「海月、学校いってらっしゃい」
「え、夢は?」
「夢月は熱があるから学校を休むの。先生に言っといてくれる?」
「わかった!夢早く治してね!」
「……………」
何も知らない海は、学校に行った。
何故か仕事なはずの父さんが今日は家に居る。
そして俺、熱なんてない。
いつも通りの体調。
母さん、絶対何か企んでる……
嫌な予感がする


