スキンヘッドのお兄さんが襖を開けてくれて、中に入ると一人のダンディなおじ様が座っていた。
「お前達が夕凪か」
「はい。お初お目にかかります。夕凪総長、佐々木朝日です。」
「夕凪副総長、有川海月です」
「夕凪幹部、水谷爽です」
「同じく夕凪幹部、倉中一成です」
「夕凪夕姫の相馬花鈴です」
私たちは松山組の組長さんに自己紹介をする。
いつもふざけている朝日と一成君がまともな挨拶をしている事に少し衝撃だ。
「私は松山組組長をしている松山凪だ。まぁとりあえず座れ。」
「「「「「失礼します」」」」」
敷かれていた座布団に正座で座る私たち。
いや、だってさ。目の前に座る組長さんのオーラがすごくてすごくて。
とてもじゃないけど、緊張せずにいられない。
「夕凪はどうだ?最近」
「抗争もなく安定した日常を過ごしています。ですがそれに甘えず、毎日面子とのトレーニングは欠かさず行っています。」
「そうか。それなら良い。俺たちがバッグにつく以上、甘えた事は許さんからな。」
「心得ておきます。」
朝日の返答に少し、雰囲気が柔らかくなった組長さん。