そんなこんなでついに着いてしまった。
「デカっ」
目の前に広がる日本庭園。
門の横には木彫りで【相良会系松山組】と彫られている。
車でそのまま門の中に入ること5分。
やっと玄関らしきところに着いた。
どんだけ広いんだここ……
車から降りると、黒スーツ姿の厳ついお兄さん達が出迎えてくれた。
ビシッと斜め45度に腰を曲げて。
「夕凪ですね。こちらへどうぞ。頭がお待ちしております」
スキンヘッドのお兄さんが私たちを案内してくれるらしい。
「やべぇ。やべぇ。本職すげぇ」
「俺興奮してきた」
小声で盛り上がる朝日と一成君。
黙ってスキンヘッドのお兄さんに着いて行く海月君と爽君と私。
とても長い廊下を歩くこと5分。
ようやく頭さん?が居る部屋に着いた。
「頭。夕凪が到着しました。」
「入れ」
中から威圧感のある低い低音ボイスが聞こえた。
思わず背筋がビシッと伸びる。