花鈴side
「なぁ海……起きろよ……」
また、か……
私たちは顔を見合わせる。
海月が刺されて病院に運ばれて4日が経った。
夢月君はあれから、毎日朝から時間ギリギリまで海月君の病室に居る。
そしてこうやって手を握りながら、聞いてるこっちが泣きそうになるくらい悲しい声で海月君に話しかけている。
普段いつも、海月君にだけ冷たい夢月君とは正反対だ。
「夢月、一回家に帰れ」
「あぁ、朝日達か。やだよ。俺は海の傍に居る」
「お前寝てないだろ。隈酷いぞ」
「そんなの関係ないよ。海が目を覚めた時、俺が一番隣に居ないと」
夢月君は、いつもいつも海月君を視界に入れなくて、居ない存在のように無視し続けていて、視界に入れたと思ったら冷たい視線を送る。
見てるこっちが可哀想になるくらい海月君に対して冷たかったのに……
やっぱり、自分を庇って刺された海月君に応えたのかな?
腐っても双子だもんね。
きっとそうだ。