オレとアイツ


待てよ。


夢月は6年以上、家に帰ってなかったんだよな?



てことは、多分だけど親にも会っていない。



「朝日君!海月は!?」



いつも明るい海月と夢月のお母さんは必死な血相だった。



お父さんの方は、何回かしか会った事ないけど無口な人だったのは覚えている。



「まだ手術中です……すいません。俺がついていながらこんな事に……」



「朝日君達のせいじゃないわ。気にしないで」



海月のお母さんは優しい。


何もできなかった俺たちにいかりもしない。



そういえば、と夢月の方を見る。



「………」


いつも笑ってるのとは正反対で、見た事ないくらい、怖いくらい無表情だった。



麗ちゃんは海月の親の事を睨んでいる。



え、ここは感動の再会じゃないの?



海月の両親は、夢月が居ることに気付いてるのか分からない。