朝日side
海月が刺された。
ゾワッ
刹那、感じたことのない重く苦しい殺気を感じる。
その発信源は、夢月だ。
こいつ、なんでこんな殺気……
お前は一般人なはずだよな?
「海月!しっかりしろ!」
気を失った海月を横目に、夢月はどこかに電話し始めた。
「もしもーし、一人刺されちゃったー。そそ。クルマでいつものとこ運んで」
こんな状況でも、いつも通り自分のペースを崩さない夢月。
いつもと違う所は、纏っている空気だけだ。
俺たちは必死で海月の腹から流れる血を止血している。
夢月の電話が切れると、倉庫のど真ん中に留まっている夢月が降りてきた車から一人の男が降りてきた。
そして俺たちのところに来る。
「夢月さんこいつですか?」
「ん?そーそー。よろしくね吉田。」
「暴れるのは程々でお願いします。」
「はいはーい。殺さない程度にしとくー。迎えの車呼んどいてー。」
「御意。」
吉田、と呼ばれたスーツの男は海月をそっと担いで車に乗せた。
「海月さんは病院に運ぶので後で一緒に来てください。」
「わかりました」
「それでは」
吉田さんはそう言って車を発進させた。
……床に転がってる飛鳥の下っ端を轢いてたのは見なかった事にする。


