※ここからは誰が話してるか分かりやすくするために「」の前に名前をつけます!

桜が満開になり始める4月上旬のとある朝

直美『お兄ちゃん!なんで、起こしてくれなかったの…!』
現在の時刻は、7︰30。そして、入学式が始まるのが7︰45。と言うことは…。

直斗「え〜。だって、気持ち良さそうに熟睡してたし~。そんなの起こすなんて可哀想じゃーん。」
リビングに置いてあるソファに座りながら呑気に返すたった1人の肉親である兄。

直美『無理矢理でも、良いから起こしてよ…。ってほんとに遅刻するー!じゃあ、お兄ちゃんも速く来てよ…!』
慌ただしく、身支度を整えながら玄関を飛び出すと曲がり角で不穏なオーラを浮かべ佇む人が1人…!?

龍輝「…今、何時だと思ってる…?」
電柱に寄りかかり、自分のスマホの時間を見せながら、不機嫌を醸し出す低い声で呟きながら

直美『えっと…。7︰37…?』
不機嫌なオーラから、後ずさりながら遠慮がちに言い。

龍輝「…入学式の時間は…?」
後ずさったぶん、詰め寄りながら睨みつけ

直美『7︰45です…。」
耐えられなくなり、下を向き。心の中で必死に謝りながら

龍輝「はぁ…。まぁ、走れば間に合うだろ…。今度からは、ギリギリの時間帯に来んなよ…?」
少し溜め息をついた後、頭を軽く撫で腕を掴み走り出して

直美『うん…!って、速い速い!』
掴まれた腕も、気にせず。今日、初めての笑顔を浮かべ。陸上部のエースだった幼馴染みの後を懸命について行きながら高校生活を想像していた。