それから、三日が過ぎた。

健と過ごしていると、ほんとに一日が過ぎるのが早い。

…こうやって、どんどんおばちゃんになっていくのか………




今日は、3週間ぶりにパパが帰ってくる。


健もうれしそうだ。


朝から、念入りに掃除して、私自身もキレイにして…

パパの好きなハンバーグを、健といっしょに作ったりして、ワクワクしながら待っていた。



…と、そんな中、電話が鳴った。



「パパかな?」

健と受話器をとりあうように、電話に走り寄り、受話器をとった。
もちろん、めちゃめちゃカワイイ声でね。


「もしもし。」


「あ、ひとみちゃん、オレ。」

雅史は、付き合ってるときから、私のことは「ちゃん」付けで呼ぶ。


健に小声で
(…パパだ!)と伝える。

「うきゃっ!」とよろこぶ健。


「…あのさぁ、現場のほうでトラブルが続いちゃって、急に帰れなくなっちゃったんだよ。でさ…」


え…
何いってんの?
…また?

こんなに健が楽しみに待ってるのに…


私だって………!!!




そう思ったら、もう言葉が出なかった。

涙が次々溢れてくる…


「どちたの?」
健が私の涙に気付いた。


黙りこくってる私に、雅史も気付いた。

「…ひとみちゃん?どうした?」