「…えっ?」 びっくりした。泣いてないのに、泣いてる?って言われたこともだけど、何よりも声に聞き覚えがあったから。 声の方向を見ると、光にあたって少しだけ茶色い髪、幅の広いふたえの目。間違いなく、あの男の子が立っていた。 「あ…」 ふと、声を漏らしてしまっていた。 「あ、っと…涙ちゃん?」 「へ…?」 「えーっと…あの、泣いてた 子だよね?」