「知るか!」 そう言って大ちゃんは先に教室へ行ってしまった。 「置いていかなくてもいいじゃん…」 ボソッとつぶやいた私だけど、その直後、重要なことに気づいた。 あ、私 極度の方向音痴なんだ… 中学校よりもさらに大きい学校内なんて、さらに道がわからない。 それに、気づけば周りには誰もいなくなっていた。 「どうしよう。地図なんてどこにもないし…」 1人でパニックになって、俯いていたら、 「…泣いてる?」