「新しい高校、おっきいね…」
「まあ、俺達の中学校が小さかったからな〜」
私と大ちゃんが通ってた中学校は全校生徒200人くらいの小さな学校だったから、新しく通う高校の大きさにちょっと戸惑っている。
音山高校、通称 音高は、県内でも結構大きい学校で有名。
今日からどんな毎日になるのかな。ってワクワクするのよりも、不安のほうがいっぱい。
「千穂、泣き虫だけど、学校入学式して早々、泣くなよ?」
ケラケラと笑いながら言う大ちゃん。
「なーきーまーせーんー!」
私は必死に大きく、はっきりした声でそう言った。
「でも、まあ、無理はすんなよ。」
