4月。
今日から高校生になります。
あの日、私の話をたくさん聞いてくれた男の子とはそれ以来あってなくって。
「名前くらい聞いとけばよかったのかな…」
靴を履きながらそんなことをつぶやいていると。
「千穂、何言ってんだ?」
不思議そうに そうやって聞いてきたのは、幼なじみの宮下大樹(みやした だいき)。
大ちゃんとは保育園からずうっと一緒で、家もお隣だから、毎朝迎えに来てくれて、一緒に登校してるんだ。
「ううん、なんでもないよ!!」
「そうか?千穂、時々 変な独り言ゆうからな~…」
ほんとに困ったような素振りで、はぁ ってため息をつく大ちゃん。
