ドラマか、もしくは映画か。

いや、ドッキリかもしれないし、ニュースかもしれない。


ほら、今朝やっていたような、同じようなニュースだ。


同じような景色を、僕はトーストを齧りながら何度も見ている。


でも、今回はやけに臨場感がある。


夢という可能性もあるな。

随分と想像力が豊かになったものだ。


こんな夢を見るなんて、起きている間に何か深く悩んでいたのだろうか。


そう思っていると、肩に衝撃を感じた。

僕はその方へと視線を向ける。


いつの間にか、人だかりが出来ていた。

人々があちこちで騒いでいる。

この混乱の中では、会話を聞き取ることができない。


でも、ただ一つ聞き取れた。



「女の子が巻き込まれて...ー」


その言葉に、僕は目眩がして倒れそうになった。


目の前で起きた事故に巻き込まれたのは、他でもない。



花本美咲だ。