「どしたん?珍しいね!マユが来るなんて!」


遊ぶときはたいていマユの部屋っていうのが定番だった。


「うん。ちょっとね。」


マユは持っていたレジ袋を上げて見せる。


「プリン買ってきたよ!食べよっ!」


私たちは夏休み最後の日の午後、
テーブルで向き合ってプリンを食べた。

甘い甘いプリン‥

そして少しだけほろ苦いカラメルソース…


「タケがさぁ‥‥」


プリンを半分残してマユが口を開いた。


「‥ん?」


「…タケが浮気したぁ!」


「ええっ!??」


嘘‥‥!?
あんなに仲良かったのに?


「なんか最近怪しくて‥問い詰めたら逆切れ!なくない?」

「‥うん‥。で‥どうするの?」


「わかんない!」


「そっか。‥‥私も‥ハルトから連絡ないんだぁ。」


思い切って打ち明けるとプリンのカップをテーブルに置く。


コツン───



なんだか寂しい音がした。