私たちは夏休みだけどハルトは社会人だから夏休みなんてない。

平日の今日はもちろん仕事。




会いたいなぁ‥‥。




でも、“会いたい”なんて言えない‥‥。


どうしたらいいんだろ‥‥?



「会いたいひとに会いたいって言えないときはどうしたらいいの?」


つい口に出た。


「は?何?それサトルのこと?‥‥じゃないよね?」


「‥‥う〜ん」


「なになにっ!ちょっとぉ〜!」



盛り上がってるマユに私はただただ「う〜ん」を繰り返してしまう。


サトルと別れた話をした直後にはしづらい話だ。



でも、


マユならわかってくれる。


そう思って昨日のことを話した。

マユは黙って話を聞いてくれてにっこり笑った。



「ナナ、恋しちゃったんだぁ。」