「やっぱぁ〜ホワイトデーだよぉ!!」


マユはひとりで喜んでいる。

「…何が?」


ヤヨはいつも通り冷静に話を促す。


「だーかーらぁ!旅行だよ〜!うふふ〜!」


ひとりで浮かれすぎなマユ。
可哀想だけど先に釘をさした。


「…今回は無理だよ?」


もうアリバイ工作に協力するのはキツい。


「え゛〜〜〜っ!いーじゃんいーじゃぁん!ダメ?」


「さすがに2回もうまく行かないよ〜?バレるから!」


「かなぁ…?」


「残念ながら…」


マユは1回口を尖らすと、「うゎぁぁん!」と泣き真似をしてさっさと立ち直る。


「そうだね!バレるかも。」


「日帰りにしたらいいじゃない?」

ヤヨの言葉に「そうだね!そうするっ!」とうなずいた。


ホントに羨ましい性格。
でもそんなところが可愛いし、憎めないよなぁ…マユは。

私たちはそんなことを話しながら、あと少ししかない1年生の時間を過ごしていた。