私は…

本当は男の人が、怖かった。

だからサトルともうまく向き合えなかったのかな‥。
でもそれはただの言い訳かもしれない。

───だけど、

サトルは大好きな男友達だったことに代わりはないのに全部を信用することは心のどこかで止めようとする自分がいた‥。


…キス…。

───キスさえ出来なかった。


サトルとの間にそんなシチュエーションがなかったわけじゃ、ない。

でも‥出来なかった。

好きじゃなかったから‥
そう言ってしまえばそれまでだけれど‥


私は男のひとが怖かった、それも理由のひとつだった。


だからハルトとキスしたこと、

キス、出来たこと、

ハルトを好きになったこと、

それは全部私でも驚くぐらいの出来事だった。

あんなに自然に信じて‥

あんなに自然に好きになって‥

キスをして‥


そのハルトに‥


裏切られた‥?


また‥

苦しい思い出が甦り、

またひとつ切ない思い出が増えた。