黒い恋人


黙ってこっちを見下ろしてたカラスはくちばしを斜め下に向けて、私の方に弾丸のように突っ込んできた。

...!!...!?


早すぎてびっくりして足のバランスが崩れて片方の脚だけが崖の真下へと落としてしまった。

『あっ!あっ‼︎......きゃああああああ‼︎‼︎』

落ちてしまう‼︎
始めて死の恐怖を知ってしまった。
怖い怖い怖い........!!!


バランスを崩した時に地面に両手が付いてから、その時点で無我夢中で地面から手を離さなかった。


さっきまでの死ぬ覚悟を忘れたぐらいの生きたい勢いが体から強く溢れ出て腕に力が自然に入った。