黒い恋人


足に続いて体も海へと傾きつつあった。

パサ...

ん?

私の顔に何かがかすった。

わずかな地面に目を降ろすと、そこには一枚の大きな黒い羽があった。

羽?

海だからカモメなのに、今日は一羽も見ていない。


ふと、上を見上げると一羽のカラスが一定の位置を羽ばたきながら私をジィーッと凝視してた。

カラス?なんなの?