「「いっただっきまーす!」」


二人同時に声を合わせ、目の前にある【うどん】を食べる。


逢坂曰く、私が中学の時に言ったらしい「うどん一ヶ月連続で食べれますよ」宣言を覚えてくれていたらしく、私の好物のうどんを作ってくれたらしい。

無論、私の頭の中の記憶には一切無いのだが。



「そういやあ、咲川って変なところで拘るよなあ」

「どうも、変なところで拘るA型女子です」

「え、お前って女子だったの!?」


「黙れ」と言いながら、机の下で足をグリグリと踏むと逢坂は痛そうに顔を歪めた。


ーーざまあみろ


幾ら内面が女子力の欠片も無いからと言ってか弱い女子にそんな事を言うでない。
全く以って乙女心を理解せよ。



「うあー、杏(あんず)が居れば最高なのに…」

「榊(さかき)って地元の高校行ったんだっけ」

「うん。でも、そっちの方が楽らしいよ。杏にとっては」


どこからか始まる思い出話を語りながらも、時計の針は午前十二時を指していた。

結局、逢坂は片付けまできっちりしてくれて帰ってった。


将来の婿さんは家事の出来る人が良いな。

あっ…。でも婿さん作る気無かったんだ。
関係が面倒くさそうだから。