ダブル・フェイス 〜クールなあいつは泣き虫王子〜


だんだんとそれが小さなこと、じゃ済まされなくなってきたのだ。

正直それらは、他人事のようにどこかで読んだいじめのストーリーのように、躊躇われることなく急激にエスカレートしていった。

上履きがなくなるのは日常茶飯事だわ、教科書や体操服はしょっちゅう行方不明になるわ、そりゃもう、大変だった。

いや、大変だったなんて、今となっては一言で振り返ることができるけれど、当時は。

精神的にかなりギリギリまで追い詰められていたと思う。

仲が良かった子たちは心底心配して、味方してくれていたのだけど...
友達にまで迷惑がかかるなんて絶対に嫌だったわたしは、周囲とある程度の距離を保って残りの中学生活を過ごした。


もちろんそもそもの原因であるユキとも、そうしているつもりだった。