ダブル・フェイス 〜クールなあいつは泣き虫王子〜


「...は?」


間の抜けた、変な声が出た。

多分今のわたし、ものすごいアホそうな顔してたわ。

開いた口がふさがらない、とはこのことだ。

ユキの発した言葉に、ギャラリーたちは一段と騒がしくなる。

「ほら、やっぱちがったじゃーん」

「さすがに今の言い方はかわいそうだよ」

感情を取り戻したかのように、一気に体が熱くなるのを感じる。

は、恥ずかしい。

さっきの返事は意味がわからないし、人違いなんじゃないかって気がしてきたし、でもあれは絶対ユキだったし。

たった3年なんかで、間違えるわけないもん。忘れるわけだって、ない。