ダブル・フェイス 〜クールなあいつは泣き虫王子〜


ふと、ユキが立ち上がってゆっくりと廊下へ向かってくる。

声をかけていた男子の様子を見ると、たぶん先生に呼ばれたとか、そういうのだろう。

ふいに。ユキの無感情のままの瞳に、わたしが映った気がした。

わたしの目にも、ユキが映っていたんだ。


「っ、ユキ!」


思わず、声に出してた。