ダブル・フェイス 〜クールなあいつは泣き虫王子〜


相変わらず歓声は廊下を包み込んでいて、案の定教室の前には人だかりが。


その声をたどるように視線を泳がせて、

————見つけた、

引き寄せられるように目に映った、一人の少年。


うるさかった黄色い声が、一瞬で止んだ気がした。


例えるなら、ドラマや映画でよく見るような。

主人公が呆然と立ち尽くす、無音のシーン。


まさにそれそのものだった。