頭の中が真っ白になるって、こういうことなんだ。

なんて、冷静じゃない頭で、呆然とそんなことを思った。


ユキが、帰ってきた?



考えるより先に、体が動いた。 

「真央!っあんた、」

「凛子、わたし行ってくる」


さっきとは違って、するりと簡単に凛子の腕から抜け出す。


すこし不安そうに頷く凛子に気づいてないふりをして、そのまま廊下を走った。