弱虫男子

「もー!」


「食べたかった?」


「食べたかった!」


というやりとりをしたあと俺は、



「じゃあ…」


と言って口の中から出すまねをした。



「きたない!」


「あっちいってよ~」


と口々に言う彼女たちにたたかれて

俺はそのまま教室を出た。



「甘いな」



口の中の甘みをかみ締めながら

美術準備室までたどり着いた。