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翌日は大方予想していた通り、散々な目に遭った。この間の噂なんて比にならないくらいの好奇の目に晒されたし、直接言われたりもした。もちろんそれは、ほとんどが女子社員だ。つくづく社内の情報ネットワークとは恐ろしいものだと思う。

ーーさようなら、私の平穏な日々。

自業自得とは言え絶望的な気分のまま電話応対をしていると、つい話し声まで暗くなってしまう。


(ダメだな。気持ちを切り替えないと)


珍しく長引かなかった午前中最後の電話を終えて、大きく息を吐いた。


「松井さん、たまにはお昼一緒にどう?」


今日声をかけてきた人はみんな同じ様なことばかり言うので、マウスを持つ手がびくりと反応してあらぬ所をクリックしてしまう。

かけられた言葉を反すうし、ゴシップ記事のような内容ではなかったことに安堵した。ゆっくりパソコンの画面から顔を上げると、赤系のリップがよく似合う室長が微笑んでいた。