「ありがとう、琥珀ちゃん!」
受け取ったハンカチをぎゅっと握りお礼を告げる。
「あ、あの⋯もし、良ければなんですけど、友達になって下さいっ」
その一言に心が高鳴る。この学校生活には友達は縁もゆかりも無いだろうと思っていた祭莉にはとても嬉しくてたまらなかった。
「も、もちろんっ!でも⋯私、人間だよ?」
「そんなの関係ないですっ。女子って少ないでしょう?だから、祭莉ちゃんがずっと心配で⋯それに、初めて見た時からお話したいと思ってましたので!」
そう。純血種の吸血鬼で女子というのは少数で、女子の殆どが[外血種]と呼ばれる、人間から吸血鬼になったものや物怪が多い。そして、純血種の吸血鬼の大半が男子なのである。