そう言ってだんだん近づいてきて、ちゅっとキスをする。


「急に⋯っ!」


「あ?まだ足りねぇって?」


ぺろっと舌を出す幾夢。そのいたずらな黒い笑みは兄弟でよく似ていた。⋯と、思っていた矢先、叶夢が後ろから抱きしめる。


「ふふ。今俺のこと⋯考えてましたよね⋯?」


「え⋯っ!?」


「あーあー。お客さんがいるってのに裏でこんなことするなんて。祭莉はインランだな。叶夢お仕置き。」


にやっと愉しそうに笑う幾夢はおもちゃで遊ぶ子供のように輝いていた。

そして叶夢の笑顔も黒く輝いていた。

「わかってるよ。」


「俺らを楽しませろよ?」


二人の兄弟からこのあとたくさんキスをされたのは誰も知らなかった。